どうして道路を渡るの?

ようこそ、いらっしゃいませ!

こちらでは、EAのTHE SIMS 3での擬似日常をだらだらと綴っています。

*改めてごあいさつ*

長きにわたり、放置していてすみませんでした。

いつかは戻ってくる、と決めていたので、
移転や閉鎖もせず、けどいつの間にか2年半も経っていました。

やっと戻ってこれましたので、イチから出直します。

「君がいた世界」は、未完のまま終了です。
また、別館は閲覧できない状態にしています。

本当に、長い間留守にして、申し訳ありませんでした。

お気に入りリンクの整理、やっとしました。
リンク切れサイト様もいくつかあって、
2年半と言うのは長かったな・・・と改めて実感しています。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

主役ふたり、やっと揃いました。

Calico Capriccioso
第2話 新しい出会いとか再会とか

最終更新日 2015.04.03

木曜日, 3月 31, 2011

Starting Over(前編)

「左京さん・・・なぜ帰ってこないんですか・・・。」

「・・・やはり警察に・・・。」

「・・・いやいや・・・新聞沙汰になどなったら、左京さんの名前に傷が・・・。」

深夜を過ぎ、あたりは静まり返っている。
「・・・しかしこの家は・・・こんなに煌々と灯りをつけっぱなしで勿体無い・・・。節電、節電。」

と、田吾作は、この場所だけ残して、消灯して回った。
「これでよしっ。」

とにかく立ったり座ったり。
なにかしていないと落ち着かないし、それに・・・。
「・・・やっぱり左京さんを探しに行こうか・・・。」

その時、部屋の戸が開き、ロッタが出てきた。
「わ。暗ーい。なんで電気消えてるんだろ・・・。」
「節電です。」

「タゴさん・・・まだいたんだ・・・。」
「タゴさんって・・・。」

「・・・あなたはこんな深夜に何を?」
「エッチしたら身体軽くなったから、踊ろうと思って。タゴさんも一緒に踊る?」

「えっち・・・。」

実は田吾作は、眠気が限界に達していた。
左京のことは心配だったが、黙って座っているだけでは、睡魔に負けて陥落してしまいそうだったのだ。
「・・・お付き合いしましょう。」

なので、ロッタの誘いに乗って、踊ることにしたのだ。
「ん~・・・やっぱ暗いなぁ。電気、つけるよ?」
「勿体無い。これで十分です。」

「タゴさんって変な人だね~。」
「そうでしょうか・・・。名前は変だとよく言われますが・・・。」

「しかし・・・ロッタさん、あなた、こんな夜中になぜダンスを・・・?」
「あたし、夜のお仕事だからさぁ。夜中帰ってきて、いっつも踊ってるもん。」
「夜のお仕事とは・・・歌舞伎町の女王かなにか?」

「ゴースト・バスター!!」
「ご・・・ゴースト!?」
「幽霊退治屋なの!今もそこにいるよ?」
「え・・・えええええっ!?」

実は田吾作は、幽霊とか怪談といった類いのものが苦手だった。
「ゆ・・・幽霊・・・。」
「コワイ?」
「こここ怖くなどありませんっ!!踊っていれば・・・忘れます!!」

「思いっきりノリノリの曲を!!」

眠気と怖さを忘れる為に、田吾作は思い切り踊った。
「♪寄せて寄せて」

「あげてあげて♪」

「そ~れ」

「そ~れ」
「そ~れ」

「そ~れ!!」

「・・・変な曲~。」

田吾作が、妙な踊りを踊り始めたので、さすがのロッタも興が冷めてしまった。
「やっぱり電気、つければいいじゃん。」

「・・・あたし、お風呂入ろうっと。」
「ヘイ!ヘイ!」

そう言ってロッタが立ち去ってしまっても、田吾作はまだ踊っていた。
妙に気分が高揚する。
限界を超えて、ナチュラル・ハイになっていた。
「おっぱいおっぱいおっぱいおっぱい♪」

「でかいヤバイ♪」

「夢いっぱい♪」

「鶴は千年!」

「亀は万年!!」

「おっぱい」

「だけは!Fuーーー!!」

「♪永遠だか~ら~っ!!!」

「あっ!まだ踊ってる!!あたし、もう寝る~。」

それでも田吾作は踊り続けていたが、やがて暗闇が去り、夜明けが訪れた。

「あ~・・・」

「・・・っと・・・ととと・・・。」

「いかん・・・ねっ・・・眠い・・・っ・・・。」

徹夜で踊り続けたのである。
すっかり疲れきって、朝の光が眩しくて目の奥がチカチカする。
「い・・・いや・・・ここで寝ては・・・。」

しかし・・・

バタンっ!!

「ぐーーーーっ・・・。」

米沢田吾作、陥落。

「さぁ。メシ、メシ~。」

「うぉっ!なんだ、コイツ!こんなとこで寝てやがる・・・。」

すっきりとした目覚めを迎えたギルだったが、田吾作がぶっ倒れているのを見て驚いた。
こんなところで寝なくとも、せめてソファーで寝ればいいのに・・・と、ギルは仕方なく、田吾作を左京の部屋に運び込んだ。

「橘花・・・おはよ。」
「ん・・・。」

「・・・おはよ。」
「よく眠れた?」
「うん。」

もう日が高い。
二人とも、ずいぶんとぐっすりと眠り込んでしまったようだ。
「あー・・・俺・・・幸せだ・・・。目が覚めたら、お前の顔が目の前にあるなんて・・・。」

ずっと、こんな朝を迎えることを夢見ていた。
橘花が眩しそうに目を細める。ただそれだけのことなのに、そんなしぐさが愛おしい。

「ね、ギルの結婚式って・・・明後日だよね?」
「あ、そうだ。・・・忘れてた。」

「忘れてたの?ひどーい。」
「この一昼夜は忘れてた。そんなこと考えるヒマ、なかったし。」

「今日は帰らなきゃ・・・ダメだよね?」
「ん~・・・別に帰らなくてもいいと思うんだけど・・・。」
「だって・・・誰にも連絡してないよ?」

「平気だよ。携帯も鳴らないし。誰も心配なんかしてないって。」←だから電源入れ忘れてるんだってば・・・
「そうかなぁ・・・。ワタシ、携帯の充電、切れちゃってるんだけども・・・。」

「んー・・・じゃ、1回帰るか・・・。」
「うん・・・。」

「ずーーーっとこうやってたいんだけどなぁ・・・。」
「仕事は?」
「いいんだよ。もう本番のライブにしか行かないってマネージャーに宣言したんだから!」

「え~っ?強気ーっ!」
「ウザイんだもん。あいつ。」

「だからさぁ・・・もうちょっと・・・。」

「・・・俺・・・勃ってきちゃったんだけど・・・。」
「こんな朝から・・・?」

「朝だからだよ。・・・あと貯金、3回分、あるだろ?」←1回しか出来なかったらしい・・・
「えー・・・。・・・ね、行きたいとこあるんだけど・・・。」

「行きたいとこ?」
「・・・うん。もう一度・・・。」

「あの場所に行きたい。」
「ん?野外劇場?」
「うん。あそこで左京のギター、聴きたい。」

「ん~・・・じゃ、パンケーキ、作って?」
「フルーツ、なんにもなかったと思うよ?」
「なんにも入ってなくていいから。」

「分かった!じゃ、作る。」
「よしっ。」


「ん~・・・なんにも入ってなくっていいとか言うけど・・・。」

↑昨夜のシチュー、腐ってるけど気にしないでね!
「美味しいのかな?」

「毒味、毒味っ。」
「あっ!なんだよ!先に食べるなってば!」
「だって、美味しいかどうか分かんないんだもん。」

    ↑シチュー・・・
「いや・・・うまそう!」
「そう?」

「どれ・・・。」

「・・・美味い・・・。」
「それ・・・好きだからなんでも美味しいんじゃないの?」

「何言ってんだよ!俺が美味いって言ってんだから美味いの!!」
「う~ん・・・(なんか違う気がする・・・)」

なにも入っていないパンケーキが美味しいとも思えなかったが、左京が喜んでいるのだから、それでいいのだろう、と思った。

そして、またこの場所にやってきた。
「ね!ギター弾いて!!」
「何がいい?」

「楽しい曲がいいな。」
「じゃ、新曲、歌ってやろうか?」
「うんっ!」

「こんなんだぜ?」

「ふふっ。」

左京の声が、ギターのリズムが、空間に広がり、空気に溶けていく。
自分たちは、ここから始まった。
だからもう一度、ここで左京が歌うのを見て、あの時のいい知れぬ高揚感と、ときめきを思い出したかった。
『・・・カッコいい・・・。』

自分は一番、左京の傍にいて、そして一番のファンであり続けたいと思う。
生身の左京に抱かれるエクスタシーとは違う、夢のような興奮とドキドキ感も、合わせていつまでも持ち続けていたいと思っていた。









・・・またやっちまった田吾作オンステージ。
やめようやめようとは思うんだけど、つい。
田吾作が踊っているのは、『爆乳音頭』。
実存する歌です。つべでググっていただければ、いっぱい出てきます。

あと、おまけ。